ユニクロとGU、どちらも言わずと知れたファストファッションブランド。
価格も手頃で、つい両方で買い物してしまうという人も多いのではないでしょうか?
「本当にコスパが良いのはどっちなのか?」と聞かれると、案外迷ってしまうもの。
そこで今回は古着のバイヤーとして擦り切れたユニクロやGUなど日々さまざまな服に触れている筆者の目線から、ユニクロとGUを本音で比較していきます。
どちらの服が長持ちするのか?素材は?リセールバリューは?
実際に古着として流通する量や状態もふまえながら、リアルなコスパを深掘りします。
買い物の参考になること間違いなしなので、ぜひ最後まで読んでみてください!
ユニクロとGUの基本的な違いとは?

まずはユニクロとGU、それぞれのブランドの特徴を整理してみましょう。
どちらも「ファーストリテイリング」が展開するブランドですが、立ち位置や商品設計に明確な違いがあります。
ユニクロは「高品質なベーシック」
ユニクロは“LifeWear”というコンセプトを掲げ、シンプルかつ高品質なベーシックアイテムを提供しています。
素材や機能性にも力を入れており、ヒートテックやエアリズムなど、独自開発の素材も魅力の一つです。
ベーシックなデザインが多く、年代やシーンを問わず着回しやすいのもポイント。
価格はGUより若干高めですが、その分“長く着られる”という印象です。
GUは「トレンドを楽しむプチプラ」
一方GUは、「もっと自由に、もっとオシャレに」をテーマに、トレンドを取り入れたデザインを低価格で展開。
10代〜20代前半の若者を中心に人気があり、1シーズンごとに買い替えやすい価格設定が魅力です。
トレンド感のあるデザインが豊富で、「ちょっと遊び心のあるアイテムが欲しい」ときにはピッタリなブランドです。
古着屋の視点から見る「買い取り傾向」
古着屋としての実感としてはユニクロの方が状態が良いまま持ち込まれることが多く、コラボアイテムなどは中古市場でも需要がある印象です。
GUは価格が安い分、生地が薄かったり型崩れが早かったりするため、リユースされる割合は少なめです。
またリユースされても、かなりの安価となっています。
つまり、「買って長く着たい」「中古でも価値が落ちにくい」点で見ると、ユニクロに軍配が上がることが多いと感じます。
また2022年にメルカリが発表した取引件数を元にしたブランドランキングではユニクロが一位となっており、中古で購入される方が多いという点においてもユニクロが優勢と言えるでしょう。
「メルカリ」サービス開始から10年 ブランドランキング1位は「シャネル」から「ユニクロ」へ
古着屋的に見た「耐久性・素材」の違い

ファッションアイテムの「コスパ」を語るうえで外せないのが、耐久性と素材の質。
古着屋という立場ゆえ、実際にかなり使用されてきたユニクロやGUのアイテムを見る機会が多く、その差はかなり明確です。
ユニクロは“生地がしっかり、長持ちする”
勿論すべてのユニクロのアイテムがとは言えませんがTシャツやスウェット、パンツに至るまでGUに比べて生地が厚めで型崩れしにくいものが多いです。
「スーピマコットン」で作られたTシャツや「メリノウール」などのニット、「カイハラ生地」のデニムなどコスパで考えると格安価格でしっかりとした生地を使っています。
ですが乾きやすいなどを謡った化学繊維のアイテムはお世辞にも生地が長持ちとは言いづらいです。
とはいえコスパで考えるとどれも素晴らしいと言えるでしょう。
GUは“軽さ重視、耐久性はやや劣る”
GUはトレンドを意識したアイテムが多く、価格を抑える分化繊などを用いた、生地が薄めで耐久性はやや低めなアイテムが多いです。
1シーズンから数シーズンで着倒すには十分ですが、頻繁に洗濯すると型崩れやヨレ、毛玉が出やすい傾向にあります。
ただトレンドフルなデザインが新品でかなりの安価で手に入るのでお財布にやさしいと言えるでしょう。
長く着たいならユニクロに軍配
長く着ることを前提とした「コスパ」で考えるなら、ユニクロの方が素材・縫製の面で明らかに優れていると感じます。
逆に「今っぽい服を安く楽しみたい」という目的ならGUでも十分でしょう。
リセールバリュー・古着としての価値

近年ではファッションアイテムを手放す際に注目するのが「リセールバリュー」。
着なくなった服をフリマアプリや古着屋で売る人も多い今、リセールバリューも“コスパ”のひとつと言えます。
ユニクロは“定番+コラボアイテム”が売れる
ユニクロの定番アイテムは中古市場でも一定の需要があります。
特にアウターなどの定価がそれなりの物で状態が良ければ買取でも500〜1,000円程度、メルカリなどの個人売買でも1,000~5,000円で売れることも。
また、+J(ジル・サンダー)やJW ANDERSONなどのデザイナーコラボのアイテムは人気が高く、定価近くで売れるケースもあります。
古着屋としても、コラボ系ユニクロは買取強化している店舗が多く、“ユニクロは売れる”という認識は強い傾向です。
GUは“回転が早く、リセールは難しい”
GUはトレンド性の高いアイテムが魅力ですが、その分“使い捨て”に近い扱いをされがちです。
買取依頼されても状態が悪くなりやすく、商品価値が残らないことが多いため、ほとんどのアイテムがリユースに適しません。
フリマアプリに出しても、送料や手数料を考えると「売れたけど手間だけかかる」ということも少なくありません。
手放す前提ならユニクロに軍配
長く着た後に売ることを考えるなら、ユニクロの方がリセールバリューは圧倒的に高いです。
特にコラボ系は中古市場でも人気があり、“お得に買って、お得に手放せる”のがユニクロの強みです。
コーデの幅・他の服との相性

ファッションの楽しさは「組み合わせの自由さ」にあります。
ユニクロとGU、それぞれのアイテムは他の服とどう合わせやすいかという視点で見てみましょう。
ユニクロは“ベーシックで馴染みやすい”
ユニクロのアイテムは無地・シンプルなデザインが多く、どんな服にも溶け込みやすいのが特徴です。
古着のような柄シャツや色落ちしたデニムと組み合わせても違和感がなく、「外し役」や「つなぎ役」として非常に優秀です。
たとえば、ヴィンテージのジャケットやデザイナーブランドのアウター等にユニクロのタートルネックを合わせるだけで、ぐっとこなれた印象になります。
GUは“トレンド感をプラスできる”
GUの強みはやはりトレンド感のあるデザイン。
古着の落ち着いたアイテムに、GUのワイドパンツやショート丈シャツを合わせると、今っぽさがプラスされてバランスが取れます。
特に若者向けの古着スタイル(スポーツMIX、ストリート系)とはGUの相性が良く、低予算でも雰囲気のあるスタイルが作れます。
古着好きにおすすめの使い分け
古着やデザイナーズ、インポートなどを中心にしたコーデをするなら、ベーシックなインナーなどはユニクロあを活用すると良いでしょう。
一方で安価にトレンド感を演出したいのであれGUで取り入れるのがバランス良くおすすめです。
古着屋が選ぶ「おすすめなのはどっち?」

ここまで、ユニクロとGUの違いを「古着屋目線」で比較してきました。
最後にそれぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで、どちらがどんな人に向いているかをまとめます。
ユニクロがおすすめな人
- ベーシックな服を長く着たい
 - どんなコーデにも合わせやすいアイテムが欲しい
 - 素材にこだわりたい
 - 手持ちの服とミックスして自然に馴染ませたい
 
ユニクロは耐久性・素材・汎用性のバランスが良く、コーデの“基礎”として優秀です。
初心者が「とりあえず最初の1着を買う」なら、ユニクロのシンプルなカットソーやパンツは間違いありません。
GUがおすすめな人
- 流行りの服を気軽に楽しみたい
 - とにかく価格重視でコスパを求めたい
 - 今流行っている雰囲気のアイテムが欲しい
 - 個性的なシルエットや色に挑戦したい
 
GUはトレンド性と価格のバランスが抜群なので、挑戦したい服やアクセントアイテムを探している人にはぴったり。
使い捨て感覚ではなく、古着と組み合わせて“1〜2シーズンで着倒す”というスタイルなら、かなり使えます。
結論:古着屋としてはユニクロがおススメ
ここまでユニクロとGUをさまざまな観点から比較してきましたが、古着屋としての視点で結論を出すなら、やはり「ユニクロ」に軍配が上がります。
理由はシンプルにユニクロの服は比較的丈夫で「トレンドに左右されづらく長く着られる」から。
実際にお店に持ち込まれる古着を見ていても、ユニクロのアイテムは数年経ってもある程度の状態であり、素材や縫製のしっかり感が違います。
また、+JやJW ANDERSONなどのコラボ商品は中古市場でも人気が高く、リセールバリューもあるのが大きな魅力。
買って、着て、手放すまでの“服の一生”を考えると、コスパの高さは明らかです。
GUはトレンド感があり、ファッションを楽しむにはとても良いブランドですが、「長く着たい」「着回したい」「資産として残したい」という視点では、やはりユニクロに一歩及ばない印象です。
ということで、古着屋がリアルにおすすめするのは「ユニクロ」。
特にファッション初心者の方や他のブランドとのミックスコーデに挑戦したい方には、まずユニクロを基礎にするのが最も“賢い選択”だと思います。
とはいえGUも勿論悪いわけではございません。あくまでコスパで考えると、というものなので「どっちが良いか?」ではなく、「どちらをどう使うか?」で考えると、よりオシャレでコスパの良い買い物ができるはずです。
ユニクロ・GU以外にも!古着屋おすすめの高コスパブランド

ユニクロとGUはファストファッションとして優秀ですが、もう少し質にこだわった服を探している方には、ドメスティックブランドも選択肢に入れてみてほしいところです。
古着屋として日々多くのブランドを扱う中で、特に長く着られて、価値が落ちにくいと感じるのが「Comoli」と「AURALEE」。
少し価格帯は上がりますが、その分リターンも大きいと感じています。
COMOLI(コモリ)

日本の気候・文化に合う洋服作りを追求するブランド。
柔らかく自然なシルエット、上質な天然素材が特徴で“着るたびに馴染んでいく”感覚が魅力です。
古着市場でも人気が高く、中古でも高値で売買されるモデルが多いため、実はコスパの良い選択肢でもあります。

AURALEE(オーラリー)

AURALEEは生地開発から徹底的にこだわる、素材の質感で勝負するブランド。
シンプルで洗練されたデザインは“大人の上質な日常着”という印象です。
特にスウェットやウール系のアイテム、アウターなどは、古着屋でも評価が高く、状態が良ければ高額買取の対象になることも。

もし「ファストファッションの次」を探しているなら、ComoliやAURALEEのような、長く着られる服を一度体験してみるのもおすすめです。
値段だけで見ると高く感じるかもしれませんが、素材・着心地・長期的な価値を考えると、実はとてもコスパの良い選択です。
まずは古着やアウトレットで、気になる1着を探してみてください。


まとめ:古着屋目線で選ぶ、ユニクロ vs GUのコスパ比較
最後にこの記事のポイントのおさらいです。
- ユニクロは長く着られる“耐久性と汎用性”が強み
 - GUはトレンド感と価格の安さで“手軽に遊べる”のが魅力
 - 古着との相性もそれぞれに特徴があり、使い分けが鍵
 - リセールバリューや中古市場での価値もユニクロ優位
 
ユニクロもGUも、使い方次第でどちらも“最強のコスパ服”になり得ます。
ぜひ、自分のスタイルやライフスタイルに合った方を選んでみてくださいね。
ユニクロとGUの比較まとめ
| 項目 | ユニクロ | GU | 
|---|---|---|
| 価格 | やや高め(比較的長持ち) | 非常に安い(トレンド重視) | 
| 素材・耐久性 | 値段の割に高品質で長持ち | 安価で劣化しやすい | 
| デザイン | シンプル・ベーシック | 今っぽい・遊びあり | 
| リセールバリュー | ◎(+Jなど高値取引も) | △(中古市場では弱い) | 
| 他の服との相性 | ◎(ミックスしやすい) | ◯(個性派コーデに使える) | 
