Barbour
イギリス王室に認められたワークウェア。
この服を手に入れるということは上流階級への仲間入りとなる、とまで言われたブランド。
このブランドの基本情報やデザイン、人気アイテム、中古相場まで大解説!
Barbourの基本情報
| ブランド名 | Barbour |
|---|---|
| 創業者 | John Barbour |
| 国 | イギリス |
| 立ち上げ時期 | 1894~ |
Barbourは1894年にイギリスで立ち上げられたファッションブランドです。
悪天候の多いイギリスですが当時、質の悪いオイルドクロスのジャケットが多く、水夫、漁師、港湾労働者たちが凍死の危機にさらされていました。
そうした彼らのために鱈の肝油を塗った質の高いオイルドクロスを提供したのがこのブランド始まりです。
そこからオイルドクロスを使った防水ジャケットを作りはじめ、その防水性、耐久性の高さから漁師から軍人、貴族など幅広い人々に愛用されてきました。
その機能性の高さは第一、第二次世界大戦の際にイギリス軍の防水服として採用されるほど。
またイギリス王室御用達にもなるレベルです。
王室御用達や軍服にも採用されたということもあり、世界に誇る大人気のブランドとなりました。
定価の値段帯
| Tops | 約¥6000~ |
|---|---|
| Bottoms | 約¥15000~ |
| Outer | 約¥30000~ |

Barbourの歴史

Barbourは1894年にジョン・バブアーによって創業されたブランドです。
創業者ジョン・バブアーはスコットランド出身で船員や漁師などに防水性や耐久性の高いオイルスキンコートを販売していました。
その事業が好調となり、彼の息子であるマルコム・バブアーは事業を引き継ぎ、第一次世界大戦や第二次世界大戦の際に英国海軍や空軍の防寒着や防水着を供給します。
さらにマルコムの息子ダンカン・バブアーが事業を引き継ぎ、モーターサイクルレースやハンティングなどの分野にも展開し、さらに人気を博します。
現在は彼の娘であるヘレン・バーバーが事業を引き継ぎ、ファッション業界とのコラボレーションや多様なコレクションを展開しています。
Barbourは創業者であるジョン・バーバーから5代目にあたるヘレン・バーバーまで一貫して家族経営であり、英国王室からロイヤルワラント(英国王室御用達)を授与されています。
Barbourの特徴

Barbourの特徴といえばこちら。
①ワックスコットンやタータンチェックなどの独自の素材
Barbourはワックスコットンやタータンチェックなどの独自の素材や柄を使用しています。
これらの素材や柄こそがBarbourのアイテムにおいて大きな特徴となっています。
ワックスコットンとは
ワックスコットンとはコットンにワックスを塗布した素材です。
ワックスコットンは防水性や耐久性に優れており、長く使える素材です。
また使い込むことで色や質感が変化し、味わい深い風合いになります。
ワックスコットンはBarbourのジャケットの多くに使用されており、Barbourの代名詞とも言える素材です。
タータンチェックとは
タータンチェックとは縦横に色の違う線が交差した柄です。
タータンチェックはスコットランドの氏族の象徴であり、英国の伝統的な柄です。
タータンチェックはBarbourのジャケットの裏地やシャツなどに使用されており、Barbourのアイテムにおいて重要な役割を果たしています。
Barbourは、自社で独自のタータンチェックを開発しており、クラシックタータンやドレスタータンなどがあります。
②防水性や耐久性に優れたアイテム
Barbourは元々船員や漁師などに防水性や耐久性の高いオイルスキンコートを販売していました。
その後も英国海軍や空軍などに防寒着や防水着を供給したり、モーターサイクルレースやハンティングなどの分野で活躍。
そういった様々な状況や人物に向けてのアイテムを作るために英国の気候や環境に合った素材やデザインを開発を行っています。
とはいえ所詮コットンにオイルを染み込ませただけなのでお手入れをしないとカビの発生であったり防水性・耐久性が落ちたりします。
なので長く使うためにも年に一度程度リプルーフが必要です。
詳しいリプルーフのやり方は公式サイトにてご確認ください。
waxforlife|バブアー Barbour 公式オンラインストア
③ロイヤルワラントを受賞した経歴
Barbourはその機能性を評価され、1974年にエディンバラ公フィリップ、1982年にエリザベス2世、1987年にチャールズ皇太子からイギリス王室御用達の指定を受けます。
(エディンバラ公爵殿下の死去により22AWからの現行品は2ワラントになっています。*現没後二年まではワラントを保持できるため、エリザベス女王の逝去した二年後の2024年ごろより1ワラントになるかと思われます。)
御用達の指定を受けるとワラントというマークを付けることが許されます。

このワラントのおかげで「Barbourを手に入れるということは単に防水ジャケットを手に入れることではない。 class(イギリスでいう上流階級)の仲間入りを果たすということである」とまで言われるようになりました。
Barbourのヴィンテージ

Barbourは古着でよく見かけることの多いブランドですが年代やアイテムにより値段が大きく変わってきます。
年代はざっくりとですが、古い順にワラントなし、1ワラント、2ワラント、3ワラントに分かれています。
Barbourの生地の特性から古いもので現在に残っているのは珍しく価値が高まっています。
*2023年現在の現行品は2ワラントのタグに変わってますので注意
詳しい年代判別等は下記のブログの方が詳しく解説してくださっていますので是非。
http://vintagematome.com/post-498-498
ちなみにヴィンテージのオイルドコットンはクレヨンのような匂いいやべたつきがある場合がございますのでご注意を。
Barbourの代表アイテム
①Bedale、Beaufort Border

Barbourと言えば、この「Bedale」、「Beaufort」 「Border」という3つのモデルが代表的なアイテムです。
一応モデルによって乗馬用や散策用、ハンティング用と用途が違うのでディティールが少し違ってきたりしますが概ね着丈の長さが違うという認識で大丈夫です。

上記の画像の様にそれぞれ「Bedale」=ショート丈、「Beaufort」=ミドル丈 「Border」=ロング丈、といった具合で分かれており好みやスタイルによって選ぶことができます。
シンプルで使いやすいアイテムなのでカジュアルコーデは勿論、フォーマルスタイルのカジュアルダウンで着こなすセレクトショップ的なコーデまで幅広く使える絶妙なアウターです。
お手入れをすれば長い間活躍するアイテムですのでBarbour入門におすすめです。
ちなみにこの中で特に人気なのが「Bedale」です。迷ったらとりあえずこれでOKです。
②SOLWAY ZIPPER

ロイヤルワラントを初めて取得したアイテムとして有名なのがこちらの「SOLWAY ZIPPER」です。
「SOLWAY ZIPPER」が発売されるまでは漁師などのワークウェアのブランドとして有名だったBarbour社でしたが乗馬やハンティング、フィッシングなどのカントリースポーツに向けてこちらの「SOLWAY ZIPPER」を販売し一躍大ヒットを飾ります。
この「SOLWAY ZIPPER」の大ヒットが今のBarbourを形作っているといっても過言ではないです。
というのも当時のイギリスのカントリースポーツはいわゆる「貴族の遊び」です。
古来より服装で身分を示すようにこの当時の貴族もカントリースポーツを嗜む貴族の衣服として「SOLWAY ZIPPER」を着ることが大流行。
その流行はエディンバラ公にまでおよびロイヤルワラントを授かります。
そうしてBarbourはワークウェアブランドからアウトドアブランドにまで上り詰めました。
と前置きが長くなりましたがこの「SOLWAY ZIPPER」は先に紹介した「Bedale」よりも着丈が長く、ウエストベルトがあるのが特徴です。
個人的には少し大きめのサイズをがばっと羽織って、デニムなどのラフな格好で着るのがおススメです。
ちなみに人気モデルで探している方が多く、中古でも割とお高めです。
特にヴィンテージは新品の値段を優に超えます。
③SPEY Jacket

80年代ごろにフィッシング用として作られたのがこちらの「SPEY JACKET」です。
フィッシング用ということもあり水に浸かったときに濡れないように短い丈に設定されたアイテム。
90年代後半にブランドの刷新の際に廃盤となりましたが最近復活しました。
一応当時のアイテムより少し着丈が長く現代的なシルエットになったりしていますが当時のディテールを残したデザインになっています。
こちらの「SPEY」も人気のモデルですので現行の中古でもそこそこ高いです。
勿論ヴィンテージは球数が少ないのも相まってお高いです。
④ TRENCH COAT

こちらもレアモデルな「TRENCH」です。
オイルドコットンの味のある風合いにクラシカルな膝下丈のトレンチコートのシルエットが組み合わさったカッコいいアイテム。
個人的一押しのモデルです。
中古でも現行ならそこまで高くないのでおススメです。
⑤ VENTILE ENDURANCE

80〜90年代に短期間製造されていたベンタイル生地をつかった希少モデルがこちらの「VENTILE ENDURANCE」。
現在でも復刻されておらず恐らくヴィンテージBarbourの中で一番高いアイテムです。
程度やサイズ等にもよりますが10万~20万もしくはそれ以上の金額です。
ここまで高い理由は使われた「ベンタイル」という生地が使われているという点です。
「ベンタイル」とは綿の糸を限界まで打ち込み、織り機の密度を限界以上に上げて織った高密度の生地のことを指します。
この「ベンタイル」はコットン生地ながら密度がかなり高いので風を通さず、水滴を弾き返してくれるのが特徴です。
またコットン生地の為、浸透性があり内部で熱がこもりすぎることもありません。
ですがこの「ベンタイル」は80番手という超極細の最高級綿糸を使い、時間と糸をたくさん使い織るため、かなり高額な生地となっています。
ですので防水性・防風性・透湿性に優れた「ベンタイル」を使ったヴィンテージアイテムは流通が余り無く、希少性も相まって軒並み高くなっています。(イギリス軍の”ROYAL NAVY VENTILE SMOCK PARKA”など)
そんなこんなで「VENTILE ENDURANCE」は希少なイギリス製の「ベンタイル」かつ、出回った数も少なかった為高額になっています。
などなどまだまだ紹介しきれないくらいのアイテムが存在しています。
どれもそのニーズに合わせたモノづくりを行っており自身のスタイルや好みに合わせてお選びいただけます。
あとオイルドコットンが苦手な方はノンオイルのアイテムもあるのでそちらもおススメです。
Barbourのコラボ
①Barbour×NOAH

Supremeの元デザインディレクターブレンドン・バベンジン(Brendon Babenzien)のストリートブランド、NOAHと2020年秋冬から定期的にコラボレーションを行っています。
Barbourの定番ジャケットであるBedaleとBeaufortをNOAHらしい素材や色使いでアレンジしたものなどNOAHらしさのあるアイテムを展開しています。
②Barbour×and wander

元IISSEY MIYAKE MEN の池内 啓太・森 美穂子が立ち上げたアウトドアブランド、and wanderと2022年秋冬にコラボしました。
Barbourのベーシックなアイテムにand wanderの機能性を加えたアウトドア仕様のアイテムをリリース。
③Barbour×ENGINEERED GARMENTS

大人気ブランドであるENGINEERED GARMENTSと2018年から数度にわたりコラボしています。
エンジニアードガーメンツの定番の作品がオイルド仕様になったアイテムなどファンにたまらないアイテムをリリース。
上記のブランド以外にも多くのブランドとコラボしておりどれもそのブランドらしさを落とし込んだデザインに仕上げております。
ぜひ好みのコラボアイテムを見つけてみてください!
Barbourを着た有名人
①ダイアナ妃、キャサリン妃

Barbourを愛用するダイアナ妃とキャサリン妃。
②光石研

「BEDALE」を着用する光石研さん。
ちなみにBarbour公式サイトにて特集を組まれるほどのBarbour好きの人物です。
My First Barbour – 光石 研さん(俳優) -|バブアー Barbour 公式オンラインストア
③滝藤賢一

BEAUFORTを着用する滝藤賢一さん。
滝藤さんもBarbour公式サイトにて特集を組まれています。
My First Barbour – 滝藤 賢一さん(俳優) -|バブアー Barbour 公式オンラインストア
Barbourの中古相場
中古での値段帯
| Tops | 約¥3000~ |
|---|---|
| Bottoms | 約¥3000~ |
| Outer | 約¥5000~ |
Barbourを中古で買う場合
中古相場ですが、まずオイルドのアイテムとそれ以外のアイテムで値段が全く違います。
ニットやシャツ、ボトム、キルティングジャケットなどはとても安く5000円以下くらいで手に入ります。
一方のオイルドですが種類にもよりますがボロボロの状態のものでも5000~10000円ほど、綺麗なものなど人気のアイテムは2~3万円、ヴィンテージのものは10万円近くするアイテムもある、といった具合です。
もしかしたら古着屋やネットショップ、メルカリ等にレアものも眠っているかもしれないのでぜひディグって見てください!
Barbourを売る場合
このブランドを売る際ですが高く売りたいのであればメルカリなど個人間取引や宅配買取がおススメです。
ただメルカリなどは売れるのに時間がかかる場合がございます。早く手放したい場合は宅配買取を申し込みましょう。
ちなみにキガエルが高価格で買い取ってくれるためおススメです。
古着バイヤーが見つけたおススメアイテム
相場を知り尽くした元リユース古着店の僕が見つけたおススメアイテムがこちら!
人気の高いBORDERです。
シンプルで使いやすいアイテムなのでバブアーを初めて着るならおススメの一着。
セレクトショップの提案していたスーツなどトラッドに合わせるのもカッコいいですが、当時の労働者のようにデニムなどのカジュアルウェアに合わせるのが個人的なおススメです。
ぜひ気になった方はチェックしてみてください!
Barbourを取り扱っているショップ
公式ショップにて取り扱いがございます。詳しくは下記公式サイトよりご確認ください。
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